「リゼロ(Re:ゼロから始める異世界生活)」原作小説14巻を、ネタバレありであらすじ解説・考察をしていきます。
第13巻では、サテラの「自分を愛して」という祈りがスバルに届き、仲間の助けを借りず、自分の犠牲だけで状況を打開することを考えていたスバルが変わります。
戻った世界でオットー・パトラッシュ・パック・ラムの力を借り、エミリアとも本物の関係を結び、ガーフィールが過去と向き合い本物の仲間になります。
いよいよエミリアが墓所の試練に挑みますが、石室にはスバルの刻んだ「らぶれたー」があり、笑みを浮かべながら過去の試練に挑みました。
試練の世界にはエキドナがいて、侮蔑の言葉をエミリアに投げますが、エミリアは動じずに立ち向かいます。
第13巻のあらすじ・ネタバレ解説はこちら

リゼロ第14巻第一章「―記憶の旅路」ネタバレ、あらすじ
エミリアは、何度も何度も繰り返し見た夢を思い出します。
氷像から目覚めたエミリアの前に、涙を流す子猫の精霊。
子猫の精霊は、エミリアを見つけられずに、ずっと一人にしたと涙を流していました。
エミリアは、その涙を止めたくて、子猫の名前を聞く。そこで夢が終わります。
そこから始まったパックとの「氷結の絆」よりももっと過去へ、試練はエミリアを誘いました。
お姫様部屋での再会
エミリアとエキドナは、大森林の樹木が生い茂る道を歩きながら、前回の挑戦について話し合います。
- エキドナは、侮蔑混じりにエミリアの前回の醜態を蔑む
- エミリアは、前回の挑戦について全く記憶がないことを話す
二人が歩いていくと、森が開け、一際大きい巨木が目の前に現れます。
巨木の麓には、洞を活用して作られた、厳重な扉がつけられている空間がありました。
エミリアは、そこが、自分の居場所だった「お姫様部屋」だと説明します。
お姫様部屋の中に入ったエミリア達は、一人の女の子、一人の女性と出会います。
- 幼少期のエミリア
- フォルトナ母様
エミリアは、氷漬けから目覚めて以来、自分の容姿を見たことがなく、記憶の中に残る自分は、この幼少期の頃の自分であると判明します。
そして、ゆっくりとエミリアの中に眠っていた記憶が蘇ってきます。
エミリアが自分の容姿を確認してこなかったのは、無意識に避けてきた部分もあります。一方で、パックが契約した内容の一つが、影響している部分もありました。
お姫様部屋を脱出
フォルトナは、時折、エミリアをお姫様部屋に閉じ込めて外に出ます。
エミリアは、フォルトナや他の大人のエルフ達が、自分に隠れて楽しいことをしているのだと考えていました。
扉の外に出たいと考えていたエミリアに、青い燐光が現れ、外に出るための穴の場所を教えてくれます。
そこは、腕一本だけが入るような穴でしたが、樹木の枝で覆われていたため、精一杯広げれば体を通すことのできる場所でした。
外に出ることのできたエミリアは、青い燐光を「妖精さん」と名付け、フォルトナの元へ向かいます。
エルフの広場とジュース
エミリアは、エルフの広場が一望できる場所に、得意の木登りを活かして陣取ります。
広場には、集落のほとんどのエルフ50名と、黒衣の集団の20名がいて、食料や洋服、本などの物資を受け渡しているところでした。
エルフの代表はフォルトナであり、黒衣の代表者は「ジュース」と呼ばれています。
- フォルトナがジュースに感謝を伝える
- ジュースは、フォルトナ様達は本来もっと厚遇されるべき功績のある方々だと伝える
- ジュースが「封印」は大丈夫ですかときく
- フォルトナは、封印は問題ない。兄と義姉さんのためにも絶対に解かせないと返す
- 受け渡しが完了し、最後にジュースがエミリア様は元気ですかときく
- フォルトナは、自分達には勿体無いくらい良い子に育っていると話す
- けれど、ジュースに会わせる訳にはと話し、ジュースもそれに理解を示す
フォルトナはアーチに受け取った荷物の対応を頼み、エミリアを迎えにお姫様部屋に向かいます。
エミリアは急いでお姫様部屋に戻る
エミリアは、フォルトナの動きを見て、すぐにお姫様部屋に戻り、遊んでいた形跡を作り出します。
青い燐光によって、できた擦り傷を治療してもらい、扉を開けたフォルトナを出迎えました。
フォルトナは、エミリアを抱きしめて、涙を浮かべながら、エミリアに「愛しているわ」と伝えます。
エミリアが思い出した記憶
幼少期の自分を見ていたエミリアは、「妖精さん」と「ジュース」のことを思い出します。
エキドナは、「妖精さん」という言葉を皮肉な呼び方だと言います。
- 青い燐光は「微精霊」
- 「妖精」は邪精霊の一種
エミリアは、かつて読んだ異国の童話集の中に、妖精が良い存在だと書かれていたものがあり、だから「妖精さん」と呼んでいたのだと説明します。
ロズワール邸で、スバルが微精霊を「妖精」と呼んだときに、エミリアは「いけないんだ」と返しています。
この世界では妖精は邪精霊の一種という見解が一般的ですので、妖精を良い存在だと扱っている本は、転生してきた人物の話した内容を本にした童話集である可能性があります。
エキドナは、試練に挑む準備はできたかとエミリアに問います。
エミリアは、まだ足りていない記憶があると答え、「封印」のある森の深奥へ足を向けました。
「封印」と出会うエミリア
幼少のエミリアは、お姫様部屋を脱出しては、広場でジュースと出会うフォルトナを観察する習慣を身につけていました。
- ジュースに対するフォルトナの柔らかな笑顔をみて、自分だけのものを奪ったとジュースに嫉妬する
- 恒例の「フーイン」の確認をする二人の話を聞く
- ジュースが外の情勢が何かおかしいので警戒を強めて欲しいと依頼する
- フォルトナは、「封印」も「鍵」も守り人である自分が必ず守り抜くと伝える
- ジュースは、「エミリア様」と「二人」のためにもどうぞお願いしますと頭を下げる
封印を守ることがエミリアの両親のためになる、ということは、封印をするために両親はエミリアの前からいなくなり、封印をするのはエミリアのためだったと推測することができますね。
エミリアは、「二人」が自分の両親ではないかと考え、「フーイン」と両親の関係性を確かめようと、妖精さんの力を借りて、森の探索を始めます。
そして、ついに森の深奥にある「封印」、ただ扉だけが佇む異様な空間を見つけました。
ジュースとエミリアが出会う
エミリアは、扉に対して、好奇心の限りに様々なことをし尽くして、満足し、集落に戻ろうとします。
道の途中、妖精の誘いで草むらの奥へ進んでいくと、そこには「ジュース」がいました。
- ジュースがエミリアの姿を見て、震えて喜びの涙を流す
- 嬉しくて泣くことがあることを、あなたから、あなた達から教わったと話す
涙を流すジュースに対して、エミリアは優しく手を差し伸べて「大丈夫だよ、ジュース」と包み込みました。
パックが記憶を封じた理由
大切な記憶の多くを思い出したエミリアは、自分が大切な人達を忘れてしまっていたことに傷つきます。
しかし、何も準備ができていない時に、記憶が蘇ったとしたら、きっと心が粉々に砕け散ってしまっていただろうと感じていました。
そして、パックが、「エミリアの記憶からエミリア自身を守る」ために、契約を理由に自分の記憶を封じたことに気付きました。
エキドナが準備の終わりを伝え、試練の訪れをエミリアに告げます。
幼少のエミリアとジュースは、手を繋ぎながら集落に戻り、そしてフォルトナに鬼のように怒られてしまいました。
試練の訪れ
三人は、これまでに持つことのできなかった、微笑ましい時間を過ごします。
- 駆け回るエミリアを過保護すぎるジュースが心配する
- フォルトナが、あるはずのない光景を胸に抱きながら涙を浮かべる
- エミリアを呼び寄せ、約束の大切さを話し、泣きそうになるエミリアを抱きしめる
- その光景を見て、今度はジュースが感動で号泣してしまう
- エミリアが「妖精さん」と呼ぶ微精霊を見せると、二人が驚く
- ジュースに、精霊術師としての天稟があると言われる
- 娘の教育方針で言い合うような二人の姿をみて、エミリアは微笑ましく思う
- フォルトナに言われて、お姫様部屋に戻ろうとする
そこに、無造作に試練が訪れます。道の先に、白い髪をした青年が現れました。
そして、青年が名乗ります。魔女教大罪司教「強欲」担当、レグルス・コルニカス、と。